当山の正式名称は、「瑠璃山 薬師院 善應寺」といいます。

開山は古く、貞治2年(1363)今から約650年前に寛朝上人によって開かれたと伝えられています。

本堂の本尊様は聖観世音菩薩という仏さまで、祐性という僧が安置したものです。

観音様は一般的に、現世の人々を救う仏様として知られ、姿かたちを変え、さまざまな方法で人々を救ってくださいます。

その中でも本尊である聖観音様は、六観音(聖観音・十一面観音・千手観音・如意輪観音・馬頭観音・准胝観音)に数えられ、六道輪廻の世界で迷う衆生を救ってくださる仏様としても知られています。

そして、境内にある薬師堂内に安置されている薬師如来は、行基菩薩の御作と伝えられる霊像あらたかな仏様です。薬師堂はもともと旧本堂として使用されていましたが、新本堂建立の折に、薬師堂とされました。

薬師堂や薬師仏が善應寺の中心であったことは、山号、院号にも表れており、「瑠璃山」の瑠璃は薬師如来の正式名称である「薬師瑠璃光如来」から、「薬師院」はそのまま薬師如来から来ているのです。  

また江戸期までは同じ興野村内に、「清光寺」という寺院がありましたが、明治期に当寺と合併したため、「清光寺」のあった場所に現在堂宇は存在していませんが、当寺の第二墓地として寺院があった面影を偲ぶことができます。