お施餓鬼会について  

お施餓鬼は、「餓鬼」に「施す」と書きます。「餓鬼」とは飢えや渇きに苦しむ「餓鬼道」という世界にいる鬼のことです。 餓鬼は弱々しく悪さを働くほどの力はありません。しかし時として餓鬼は、「私は昔の行い(強欲やケチ)の報いによって餓鬼となってしまった。

あなたも悪いこと(強欲やケチ)をすると餓鬼道に落ちてしまうぞ」と忠告してくるのです。それではなぜ、そんな餓鬼にわれわれが施しを行うのでしょうか。その起源はお釈迦さまの時代まで遡ります。  お釈迦さまの弟子である阿難尊者はある時、「貪りの心が消えないお前は、餓鬼道に堕ちる」と餓鬼にいわれてしまいます。恐ろしくなった阿難尊者は、お釈迦さまに相談します。するとお釈迦さまは「このことば(陀羅尼)を唱え、食べ物を餓鬼たちに施せば、たくさんの餓鬼が良い世界(浄土)に生まれ変わり、その功徳でお前も救われるだろう」とおっしゃり、供養の方法を教えます。そして阿難はお釈迦さまから教わったとおりに餓鬼に対して供養を行いました。これがお施餓鬼の始まりです。

また、お施餓鬼会では、縁のある人、ない人に関わらず、すべての御霊、そして亡き人やご先祖さまたちに対して供養するとともに、功徳や感謝の気持ちを回し向ける場です。 今の自分があるのも、さまざまな人や生きとし生けるものの繋がりがあるということを忘れてはいけません。そのあらゆる繋がりへの感謝、そして供養することの大切さをお施餓鬼会を通して再確認していただきたいと思います。 なお、当山のお施餓鬼会は、4月29日に開催しておいりますので、ぜひ皆さまご参加ください。  


  お盆について

お盆は年に一度、御先祖様たちが仏さまの世界(浄土)から里帰りする期間です。ぜひ慣れ親しんだ家にお迎えしてあげましょう。

 お迎えの仕方は地域によってさまざまですが、お墓で、又は自宅の前で迎え火を焚きます。これは、ご先祖さまが帰ってくるための目印とも言われます(地域によって違いがあります。)

 戻ってきたご先祖さまがどこでお過ごしになるかというと、お仏壇でお休みになります。ですから、お盆の前には、できるだけお仏壇を清浄にしてご先祖さまをお迎えするように心がけましょう。

また、お仏壇を飾る際には、精霊棚という壇を設けるのが一般的です。なぜこの壇を設けるのかというと、先に記したように、お盆の時期は仏さまの世界から里帰りする期間です。しかし、自分を迎えてくれる方のいない人、供養をされない方も当然出てきてしまいます。ご先祖さまだけでなく、そのような方にも供養を施すという精神が精霊棚に現わされています。

さて次に、時期についてです。一般的なお盆は8月13~15日ですが、東京地域は7月13日~15日に行う東京盆という独特なものになります(どちらも13日に迎え火、15日に送り火)。これは、旧暦でやっているか、新暦でやっているかの違いだけなので、明確な違いがある訳ではありませんので、頭の片隅にでも入れておいていただければ良いと思います(地域によっては、12日にお迎えをし、16日に送り火という場合もあります)。

以上がお盆の説明となります。お仏壇の飾り方や、お迎えの仕方など、文面だけでは分からない方は、お寺までお気軽にお問合せください。  


  お彼岸について

お彼岸という言葉には「彼の岸」という意味があります。彼の岸というのは、向こう側の岸を指す意味です。言い換えるのであれば、彼岸とは悟りの世界(仏さまたちのいる世界)のことです。向こう側の岸があるということは、当然、こちら側の岸もあるわけです。こちら側の岸のことを「此岸」といい、われわれ生きている人々がいる世界のことです。

そして、両岸があるということは、間には川が流れている訳です。この川をわかり易く表現するのであれば三途の川ということになります。川を隔ててあの世(仏さまの世界)とこの世(今生きている世界)があるのです。

誤解を恐れずに表現するのであれば、お彼岸の期間はこの川幅が狭くなり、あの世とこの世が近くなる期間なのです。実際にあの世の人と肌を触れ合うことはできなくとも、限りなく近くで会えるということです。ですから、お彼岸の期間はできる限りお墓にお参りをして、仏さまの世界でお過ごしになっているご先祖さまたちに思いを伝えましょう。

お彼岸は春と秋の年に二回ありますので、どちらか一度でも構いませんので、お参りすることをお勧めいたします。  


  行事関係

  • 1月8日  初薬師
  • 1月18日 初聖観音
  • 1月21日 初大師  

春彼岸

3月の春分の日の前後3日間  

お施餓鬼

4月29日

お盆

7月13~15日 または、8月13~15日

秋彼岸

9月の秋分の日の前後3日間  


  • 12月8日  納め薬師
  • 12月18日 納め聖観音
  • 12月21日 納め大師  
  • 毎月8日(薬師)、18日(聖観音)、21日(大師)縁日